星の船 ー淡い月の鍵ー

「お前、ついてこい」


そう告げ、男は流羽の手を引き歩き出す。

「え?ちょ、ちょっとっ、私は、ここで柊くんを待ってるの!」

訳が分からず、流羽は男の手を振りほどく。
だが、
男は静かに、確かな声で

「だから、その柊のもとへ連れて行ってやる」



流羽の声が、

心が、




凍り付いた。







< 31 / 38 >

この作品をシェア

pagetop