星の船 ー淡い月の鍵ー


 ♢


「柊くんっ」

次に会った柊は、
病院で眠っていた。


流羽は柊に駆け寄り、震える掌で触れる。

「ねぇっ、柊くんどうしたの!?」

後ろに立つ黒い男を振り返り、問う。


「…また、発作が起きて倒れた。俺の仲間が、柊をここに運んだ」

相変わらず、淡々と話す。


「…あなた、一体…誰なの?」



声が震える。

ずっと、ずっと、聞きたかったこと。



男は、一呼吸おき、

「俺は、時間管理局警備課員。名は相模ーサガミー」



「時間…管理、局?の、相模…さん?」


初めて聞く言葉に、
流羽は、途切れ途切れ呟く。

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