星の船 ー淡い月の鍵ー
「ーーごめんな、流羽」
目覚めた柊と、
流羽の視線が、重なる。
「柊くんっ」
柊の手を取り、溢れる、涙。
「流羽、これ…」
そう小さく云い、柊が差し出す小さな紙。
「えっ!?これーー」
受け取り、流羽は驚いた。
それは、
無くした筈の〝ティコ〟への旅券。
「ごめん。流羽が無くしたんじゃない。俺が、隠したんだ。
…どうしても、最後に流羽と2人で過ごしたくて」
「柊くんっ…」
溢れる、涙。
もう止まらなかった。