星の船 ー淡い月の鍵ー
頭を動かさない様に、
視線だけを男の方にチラと向ける。
歩廊(プラットホーム)に独り立ち、
黒髪に藍灰色レンズの眼鏡を掛け、
長身で黒い4つ釦のスーツを着こなしていた。
(黒…真っ黒…眼鏡は色ついてるし、何か、アヤしい…)
何となく流羽は怖くなり、
トローリ鞄を持ち上げ、近くにあった柱の陰にスススと静かに歩みを進めた。
その柱の陰から、再び悟られない様に歩廊の男を見る。
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