合縁奇縁

平安時代

―――朝

結局連れてきてしまった少年をどうしようかと、朝生は思い悩んでいた。

少年は強情で、本当に何処にも行こうとしないのだ。


しかも、驚いたことに。


「馬鹿者。
さっさと学舎に行かぬか」

壁から通り抜けてきた少年が、朝生の頭に拳を食らわす。

少年は―――幽霊だったのだ。


昨日。
仕方なく少年を家まで連れてきた朝生は、明日に警察に行こう と声をかけながら、少年の方を振り向いた。

しかし。

「うっ…うわぁぁぁぁ!!?」


少年が、あろうことか宙に浮いているのを見て、朝生は悲鳴をあげる。

そして、その余りといっては余りの事態に 朝生はそのまま、気絶してしまったというわけだ。

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