合縁奇縁
そして、数分前に強制的に起こされ、話を聞いたわけなのだが…。

「我は平安時代からいる霊だ。
お前に用がある。
頼まれろ」

見事に用件だけを言い、少年は宙に胡座をかいて座る。

「説明は面倒だ。
どうせ今日、分かるのだからな。
言っておく。
余の名前は隠岐 冬哉(おき とうや)だ」

非協力的な態度で、追い出すようにして 朝生を学校へと追いやったのだ。


というよりも…
今日、分かる?

少年―――冬哉の不可解な言葉に首を傾げながらも、朝生は大人しく学校へと歩いたのだった。

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