合縁奇縁
さすがの朝生も困って、むむっと考え込む。

しかし ピンと閃いた答えに、朝生は笑みを浮かべる。

この子は…

「君、何かの映画の子役でしょ?」


きっと役者だ!

平安時代らしき服装をしているのも、そうだとすれば納得がいく。


しかも、さっきは気が動転していて気付かなったが、少年はかなり整った顔立ちをしている。

まるで、精巧につくられた人形のようだ。


大きな目に、小さな鼻と口。

髪は、今は雨に濡れて頬に張り付いているが、それでも尚つややかだ。

そして、男にしては長めの髪を 後ろで一つにくくっていた。

朝生は、何でこんな簡単なことに気付かなかったのかと、あははと笑う。

「ごめんね、僕あんまり映画とか見ないから。
有名な子だったんだね」

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