炭坑の子供たち(2)
 小学校の高学年になり

俳句をこしらえて来る宿題があると

とても作る才能なんてないので、人の作品を拝借する事になる。

“やれ打つな、ハエが手をする、足をする”

なんて、明らかに有名な、小林一茶の句を、盗んで来た猛者もいたが

そっくりパクるのは、気が引けたのか、ひとひねり加えたのも、何人かいた。

“五月雨を、集めてはやし、英彦山川”

“スズメの子、そこのけ、そこのけ、車が通る”

“女の子、そこの毛、どこの毛、あそこの毛”

3つ目の句は、近所のあんちゃんが

「これはいい俳句やけん、書いて行け」

と、教えてくれた句である。

いずれも、元の句がメジャーなので、バレバレであった。
















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