炭坑の子供たち(2)
 「お前が、ようと見張っとかんからや」

1人、一番小さいのを、見張りにしてたのだが

役目も忘れて、一緒になって遊んでいたので

いつの間にか、ノッシノッシのおっさんが来て

みんなの服を、一まとめにして抱え

労務と呼ばれる事務所に、持って行ってしまったのだ。

何故、ノッシノッシのおっさん、と呼ぶかと言うと

そのゆっくりと大またで歩く、独特の歩き方に由来する。

仕方ないので

「ジャンケンで負けたモンが、服を貰いに行かなばい」

と、決めて、ジャンケンをすると

うまい事に、未だ羞恥心もなさそうな、一年坊主が当たり

当然、タオルも持ち去られているので

一年坊主は、片手でチンチンを隠しつつ

労務へとすっ飛んで行く。

しかし、直ぐに、手ぶらで戻って来る。




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