炭坑の子供たち(2)
 やっぱり、おにぎり弁当は

公園であろうが、山の頂であろうが

青い空の下で食べるのが、一番おいしい。

おむすびは、塩だけでも十分おいしいが

時折り、貴重なノリを巻いている場合がある。

やっぱり、おむすびのノリは

歯ごたえのあるパリパリよりも

ご飯の水分になじんで、ベチャッとしている方がおいしい。

貧乏人の子は、憧れの玉子焼きとゆで玉子を

一番最後に、ゆっくりと噛みしめながら食べ

めし粒は、1つ残さず食べ切ってしまう。

一方、金持ち子供はと言えば

折角、板前に作らせた折り詰めを

「おいしくない」

と言って、全部池の中にひっくり返してしまい

近くの店から、あんぱんを買って来て

如何にも、おいしくなさそうに食べていた。

あんな豪華な折り詰めを、魚のエサにする位なら

「俺に食わせろ」と言いたかった。

< 24 / 50 >

この作品をシェア

pagetop