炭坑の子供たち(2)

会と名の付く行事

 先ず本番の数日前に

全校生徒が、えぶじょうぎと言う、竹で編んだザル状の物を持って

運動場と、その周辺の草取りをする。

それまで、何度も予行演習をしているが

いよいよ前日には、石灰の粉でトラックの線を引き

進行係や校長、来賓達が入るテントを立てる。

運動会の当日には

子供よりも先に、父親やじいさん達が、ゴザを担いで場所取りに行く。

その頃、母親とばあさんは

ご馳走を、三段重ねの重箱に詰めていて

まさに、一家総動員のお祭り騒ぎであった。

主役の子供達はと言えば

馬のクソを踏むと、足が早くなると聞いたので

行きがけに、わざわざ馬小屋に寄って、丸いクソを踏ませて頂き

そこから、種目にある二人三脚の練習がてら

友達と鉢巻きで足を結んで、学校まで走って行くが

その時は、1度も転ばずにうまくいったのに

相手の変わった本番では、何度も転んで、ボロボロであった。

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