炭坑の子供たち(2)
 ブラブラと、集団で幼稚園に向かう我々の横を

これ見よがしの、子供達を乗せた馬車が、追い抜いて行く。

そこで、我々一同は、思い思いに馬車にブラ下がった。

すると、中の子供達が、御者のおやじに向かって、大声を上げる。

「おいちゃん、ブラ下がっちょるばい」

「どうりでロバが、遅おなったと思おたら」

と、おやじが、馬車を停めて、降りて来そうになったら

ブラ下がってた子供達は、一斉にクモの子を散らすみたいに

はるかかなたに逃げて行き

再び、馬車が動き出すと、又何処からともなく集まって来て

馬車のグルリにブラ下がる。

「おいちゃん、又ブラ下がっちょるばい」

すると、馬車は又停まる。

そんな事を、何度も繰り返しながら、馬車は、高級幼稚園へと向かう。
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