炭坑の子供たち(2)

学校の風景

 今も昔も、小学校には

遊び時間があったり、給食時間があったりして、楽しかったが

勉強がなかったら、もっと楽しかった筈である。

炭坑の全盛期には、大勢の子供がいたので

教室は、ギュウギュウ詰めの50人

そんなクラスが10個もあるのだ。

1年生になると、大人達に、「1年坊主」と呼ばれた。

教室の机も椅子も、年期の入った木製で

机には、先輩達が、ナイフか彫刻刀で彫った、イタズラ書きがあった。

当時の子供は、みんな、肥後の守と呼ばれる、切れ味鋭い小刀を持っていて

机の上は、バカとか、メ〇コとか、何人もの合作で、キズだらけであった。

登校時も、未だおおらかにあって、例え遅刻をしても

「ニワトリにエサをやってて、遅くなったとです」

と、言えば

「これからは、もっと早く起きて、エサをやれ」

と、言うだけであった。
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