炭坑の子供たち(2)
 帰り道は

ジャンケンで負けた2人が、みんなのランドセルを、棒に通して担ぎ

他の者は、靴を蹴飛ばして遊んだり

草の上を転がったりと、間違いなく道草を食っていた。

1日の授業が終わって、さあ帰るぞと言う時に

急に雨が降り出すと

母親が、傘やカッパを持って、迎えに来る者もあれば

誰も迎えに来ない子が、ほとんどを占めていた。

言わば、ほったらかしである。

そんな連中が集まって、近くに立てかけてあった看板を

傘代わりして、何人もが、縦に並んで歩いていると

益々雨が激しくなったので

社宅の軒下で、みんなで雨宿りをしていると

その家のじいさんが、窓から顔を出して

「雨と雨の間をぬって走れ、そしたら濡れんけん」

と、親切に教えてくれた。

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