炭坑の子供たち(2)
 朝礼が終わると、いよいよ退屈な授業が始まる。

それを知らせるのは、用務員のおじさんが

カランカランと鳴らしながら、廊下を歩く鐘であり

やがてそれも、校舎の壁の上の方で鳴る、けたたましいベルへと変わっていった。

授業でも、まあ苦にならないのは

あんまり頭を使わなくていい、音楽と体育であった。

誰が作ったのか分からないが、子供達は、替え歌が好きである。

“お手手つないで、野道を行けば゛の替え歌で”

“おて天ぷら食いすぎて、アチャコ先生に見せたら、あありゃこりゃしもた、ロクマク、肺炎、神経痛”

又、“もういくつ寝ると、お正月”の替え歌で

“もういくつ寝ると、お正月、お正月にはモチ食べて、腹を壊して、ねんねして、早く来い来い救急車”

などと、歌っていた。

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