shining☆moon‐私の王子様‐
「と、いうことだ…」
「……」
フレンにはこんな過去があったんだ。
フレンは何もかも完璧で、それに嫉妬しるのもわからないこともない。
けど、残酷過ぎるよ……。
仲良かった二人が血のにじむような悲惨な戦いをするなんて……。
また仲良しには戻れないの?
前のように…。
「…私が止めます」
「何をおっしゃる!?」
「私が二人を以前のような中の良い二人に戻します…!」
放っておけない。
いくら私の試験でも、“親友”と呼ぶほどの二人を黙って見てるなんてできない。
私にできることならなんでもいいからやりたい。
…二人を助けられるなら…。
また、仲良かった二人に戻れるなら…。
そして、誰一人死なせない。
ヴィンセントとフレン戦うといっても、二人とも死なせない。
私が止めて見せる。
「……ユリア様は女王そっくりだ」
「女王…?」
私が女王そっくり?
どこが?
「どうして?」
「ご存知ないと?」
「ははぁ…」
何をご存知ないかと…?
「貴女は女王様の娘でございます。ユリア姫」
「え、ええぇ!?」
嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘!!!!
私が女王の娘!?
あり得ないって!!
あんなに綺麗な人が私の…母。
あぁ、母よ。
美しいとは罪です。
貴女みたいに私もなりたいです。
「女王は予言されました」
「予言…?」
ユリアは首を傾げる。
「女王もヴィンセントとフレンが戦う事を、ご存知でした。そして誰か止めてくれる人はいないかと思っていたら……」
*****・.
『ユリアが必ず、止めますよ』
『ユリア姫がっ!?』
『えぇ。だってあの子……フフ』
******
「だってあの子…、の次は何よ!!?」
「いえ、申し上げられません」
リダアースはクスクス笑った。
ユリアもつられて笑う。
そして間もなく月が空に上がろうとしていた。