shining☆moon‐私の王子様‐


「あと一冊あるはずじゃない?」

レオがフレンに問いかける。

あ!
そういえばムワーダ島に眠る二種の本…って聞いたことあるな…。


「これって魔呪化語のほんだよな…?」


「え?まぁ」


やっぱり!
この前のクエストの時電車の中で、ユリアが広げて見てた分厚い赤い本、『黄呪光語』の本か!!

フレンは走って自分の部屋に向かった。


「フレンっ!?」

「なんか、思い出した…か」


・・・・・



ガサゴソ…

フレンは本棚をあさり出した。


「あった…!」


赤くて分厚い。
本からは紙がはみ出ていた。
おそらくあの、赤黒い字でかかれたものだろう。

フレンはその本を抱え、ロビーに走って行った。


どうしてユリアがこんな本を…。
何処で手に入れたんだ?



フレンはレオとクロードに本を見せた。

「…嘘だ。揃っちゃったよ」

「で、2つ揃ったらどうなるんだ?」

クロードは黙り込み赤い本をペラペラめくり始めた。


「…影の島にある墓に持っていけば、ヴィンセントはきっと心を開き、あの時身体に入った魔力は墓に戻される」

「じゃ、じゃあ、ヴィンセントとフレンは仲良しに戻れるの!?」

ちょうどユリアが戻ってきた。
ユリアは心配そうにフレンを見たあと、クロードに目を移し、一瞬驚いた表情になったが直ぐに真剣になった。


「その確率もある」


ユリアはやった!やった!と喜んだ。
そしてキョロキョロと周りを見回した。


「どうしたの?ユリア」

レオがユリアに尋ねた。

「…ルイスは?ルイスがいない」

「外じゃない?」


そしてユリアは外へと行った。

フレン達は本に目を直した。


「フレン、明日の試験、俺の兵を連れて行くから。じゃ」

「は?」


クロードは本が入った紙袋を置いていき帰って行った。




「…ユリア!?」



クロードは出口で一旦止まり、声を張り上げるように言った。

レオとフレンはすぐさまユリアのもとに行った。



< 103 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop