shining☆moon‐私の王子様‐
「あと一冊あるはずじゃない?」
レオがフレンに問いかける。
あ!
そういえばムワーダ島に眠る二種の本…って聞いたことあるな…。
「これって魔呪化語のほんだよな…?」
「え?まぁ」
やっぱり!
この前のクエストの時電車の中で、ユリアが広げて見てた分厚い赤い本、『黄呪光語』の本か!!
フレンは走って自分の部屋に向かった。
「フレンっ!?」
「なんか、思い出した…か」
・・・・・
ガサゴソ…
フレンは本棚をあさり出した。
「あった…!」
赤くて分厚い。
本からは紙がはみ出ていた。
おそらくあの、赤黒い字でかかれたものだろう。
フレンはその本を抱え、ロビーに走って行った。
どうしてユリアがこんな本を…。
何処で手に入れたんだ?
フレンはレオとクロードに本を見せた。
「…嘘だ。揃っちゃったよ」
「で、2つ揃ったらどうなるんだ?」
クロードは黙り込み赤い本をペラペラめくり始めた。
「…影の島にある墓に持っていけば、ヴィンセントはきっと心を開き、あの時身体に入った魔力は墓に戻される」
「じゃ、じゃあ、ヴィンセントとフレンは仲良しに戻れるの!?」
ちょうどユリアが戻ってきた。
ユリアは心配そうにフレンを見たあと、クロードに目を移し、一瞬驚いた表情になったが直ぐに真剣になった。
「その確率もある」
ユリアはやった!やった!と喜んだ。
そしてキョロキョロと周りを見回した。
「どうしたの?ユリア」
レオがユリアに尋ねた。
「…ルイスは?ルイスがいない」
「外じゃない?」
そしてユリアは外へと行った。
フレン達は本に目を直した。
「フレン、明日の試験、俺の兵を連れて行くから。じゃ」
「は?」
クロードは本が入った紙袋を置いていき帰って行った。
「…ユリア!?」
クロードは出口で一旦止まり、声を張り上げるように言った。
レオとフレンはすぐさまユリアのもとに行った。