shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
「ルイスーー!!ルイスーどこー!?」
ルイスがいない。
まぁ、私がルイスと離れてから結構時間が経ってるけど。
ユリアはエルランドの入り口をくるくる回り、ルイスを探した。
もぉ、どこ行ったのかな…。
ユリアにも協力してもらいたかったのに…。
ユリアは空を見上げた。
空はあの時見たいに綺麗な空。
あの時…みたいに。
black sky を結成したあの日。
私は大丈夫なのかな。
うまくやっていけるかな。
不安がよぎったりもした。
だけどね、そんな不安なんて要らなかったんだよね。
私の初めてやったクエストだって力を合わせてクリアした。
だからこそ、今があって、強い気持ちにもなれる。
ルイス、フレン、レオ…。
あなたたちのおかげだよ?
ルイス。
ルイスは私の大切な友達。
大好きな私の親友。
「ルイス…」
ルイスに会いたい。
今すぐ相談したい。
私達、友達でしょ?
「友達ねぇー」
ビュッ――…
空気を斬るかのように強い風が吹き、ユリアの頬に切り傷ができる。
そして、まばたきをしたら目の前にはルイスの姿があった。
「ルイスっ!!探したんだよー!どこ行って……、ルイス…?」
ルイスの両手には緑と赤の剣がある。
そしてユリアを睨む。
「…ル…イス……?」
「…ユリア・アリスレパード…」
ルイスは剣を突きだしユリアに襲いかかった。
剣先には黄色い光が浮かぶ。
ユリアにぶつかる寸前。
「ルイス、そこまでだ」
聞き覚えのあるその声にルイスはビクッと反応し、両手の剣は消えていく。
コツコツ……
石盤の上を歩くように足音がきこえる。
誰…?
ユリアは身構える。
そして一気に足音は消え、ユリアの後ろに誰かがいる気配がした。
「誰っ!?」
「俺だよ。ユリアプリンセス」
そこにいたのは、血液のような赤黒い瞳と透き通る肌に黒い髪。
間違いない。
この人は、フレンのライバル、親友であった人。
「……ヴィンセント・シュナイザー…」