shining☆moon‐私の王子様‐
~~クロード.said~~
「ユリアっ!!」
ユリアがあのヴィンセント・シュナイザーに抱きつかれそうになっていた。
その光景に、俺は耐えられなかった。
「離せ、ヴィンセント」
「おや!クロード・メイヴィスではありませんか。お久しぶりです」
こいつとはこの前の都市爆発事件にあったばかり。
もちろん爆発させたのはこいつ。
「ユリアに何があった!?」
俺の声に気づいたのか、レオが来てフレンもきた。
暗いからだろうか。
フレンの顔が暗く睨んでいるように見える。
そしてヴィンセントは手をぶらんと垂らして睨み返す。
低い声でお互いの名前を呼んだ。
「……ヴィンセント…」
「……フレン…」
二人の凛とした顔に思わずみんなは唖然とする。
強力な魔術師と偉大な剣士が睨みあって魔力を競いあってる…。
…凄い。
俺は兄だから言えるけどフレンはヴィンセントのことを今でも友達として思っているだろう。
「…フレン……!!」
ユリアが震える声でフレンの名前を呼び、後ろに隠れた。
するとヴィンセントは深いため息をつき、お辞儀をした。
「またお迎えに参ります。プリンセス」
そう言いルイスの肩に手を回した。
「この女は貰ってく。影の島での戦いで手下におこう。……」
ヴィンセントは息を吸って言いはなった。
「影の島で戦おう、フレン・ロザフォース」
「あぁ…」
ヴィンセントは怪しく微笑み、ルイスと共に砂のように消えていった。
「ルイスっ…!!!」
泣きそうなルイスにレオは抱きしめる。
フレンはただ空を眺める事しかできなかった。
自分の勝利を信じて……。