shining☆moon‐私の王子様‐
俺は果てしなく続く海を微笑みながら眺める。
このまま影の島につかなきゃいいのに。
そう思った。
でも、そう思うのも無理はない。
影の島についたらきっと任命試験より先にヴィンセントが現れて島ごとに焼き払ってしまいそうだから。
別に自分が殺されるのが怖いとかじゃない。
ユリアに危害が加わるから。
俺にとってユリアは大事な存在。
「えーー?うっそー!!」
「本当だってば」
楽しそうなユリアとレオの声。
フレンはその場を離れ、ユリアとレオ達の所に向かう。
「あ、フレン」
レオがニコニコしている。
ちくしょー。
ユリアと仲良くしてるからいい気になりやがって。
調子にのるなっての!
「どうだ?なんかわかったか?」
「うん。だいたいは」
「えっ何が!?」
ユリアがレオに訪ねる。
…俺に聞けよ。
「そう、言えばユリア知らなかったよね。あのね…」
レオは二冊の本をユリアが座る方に寄せレオ自身もユリアに近寄る。
レオは間近でユリアと話し、さりげなく触ったりしてる。
ムカムカ…―
なんかムカつくな…。
見ててイライラする…。
離れろよ。
「…離れろよ」
思っていた事がつい口に出ていた。
でも1つも後悔していない。
だってこれが俺の気持ちだから。
「え…?」
「クスッ…」
呆然とするユリア。
その横で鼻で笑うレオ。
「何が可笑しいんだよ」
「…別に」
レオは笑いながらフレンを見て、フレンは眉をひそめてレオを睨み、ユリアは呆然とフレンを見た。
決定的な三角関係。
ふっざけんな…。
ユリアから離れろよ。
「フレン…?」
心配そうに聞くユリア。
レオは、はぁ、とため息をつき意地悪そうに笑いフレンを見た。
「フレンってさ、ユリアの事好きでしょ?」
「は…?」
「え…?」
レオの言葉でその場は静まり返った。