shining☆moon‐私の王子様‐
~~レオ.said~~
僕はユリアが好きだ。
で、フレンもユリアが好きだ。
僕はフレンに負けたくなかったからどんな手を使ってでもユリアが欲しかった。
ユリアの前で恥ずかしい思いをしてユリアに嫌われればいい、そう思った。
だからあんなことをわざと言った。
「好きなんでしょ」
「………」
フレンが黙った。
ユリアは口を半開きにして、フレンを見つめる。
フレンの事をきっと「え?うそ。止めてよ。気持ちわるい」って見てるって事だよね。
「…フレン?」
ユリアが透き通った声でフレンの名を呼ぶ。
「…きじゃねぇよ」
「…え」
今なんて?
「またまた~」
フレンは怒って叫んだ。
「好きじゃねぇって言ってんだよ!!」
勝った。
僕はフレンに勝ったんだ。
フレンはその場を離れて部屋へと続く扉の中に消えていった。
フレンがユリアの事を好きって言うのは僕の勘違いだったんだな。
もうこれから周りを気にせずユリア一筋で行けばいいんだよね。
レオはユリアに目を向けた。
「え…?」
大粒の涙をポロポロ流すユリアがいた。
流れ落ちた涙は頬を伝い、テーブルに落ちていく。
「ユリア…?」
レオはユリアの涙を拭おうとした。
パシッ…―
ユリアによってレオの手は払われた。
「…触ら…ないで……」
「ユリア…」
「呼ばないで……!!!」
ユリアは泣いたままフレンが入って行った扉に入って行った。
どうして、泣くの?
どうして、叩くの?
どうして、行くの?
どうして、僕じゃ駄目なの?
どうして…。
どうして…。
どうして………。
僕は悪魔だ。
ユリアを独り占めしたい気持ちが強すぎたんだ。
…ごめん。