shining☆moon‐私の王子様‐


~~ユリア.said~~


『目を覚ましなさい』

「…ん」

温かい光が私を包み込んで、女の人の声が聞こえる。
その声は私を誘うかのように、私を包み込む光とともに前へ前へと誘導していく。
そして光がパッと消え、下には青い海がキラキラ輝く。

でも何故か宙に浮いていて、自由自在に動き回れた。


ん?
なんか嫌な予感がする…。
これは夢だよね。
夢だったらなおさら…。
起きたらおもらしとか、死んじゃった~っていうパターンだよね!?
嫌だ~死にたくな~い!


突然目の前に綺麗な女性が現れた。
その女性は…。

「女王様っ!?」

『どうですか?エルランドは。結構ためになるでしょう?』

「はいっ!なりますなります!…でも…」


私の心の奥底にはフレンの姿。
あんなに近くに存在していたフレンが遠くにいる気がして怖くなる。


『…フレンはいい男の子よ』

「…え!?ど、どうしてっですか…?」


女王様は上品に笑う。
いや、上品に笑われてもなんかこっちは笑えない状況なんですけど。
普通に。


『あら…ごめんなさい』

ごめんなさいで済む事じゃないよー!?
私の気持ちもわかってー!

私はそっぽを向いた。


『…フレンはね、ユリアの事になるとすぐ熱くなり過ぎて、理性が狂ってしまうの』

「…私の事になると?」

『そうよ』

「………」


なんか、嬉しい…。
そんなにも、私を気にかけてくれてたんだ。
でもこれはあくまでもフレンの勤めなのかな。
愛情表現じゃない。
ただの仕事にしか過ぎない。
だけど、ほんの少し、ほんのちょっとだけ、女王様の言葉を信じていたい。
そしたらあの『気持ちわるい』って言ったフレンは理性が狂っていたというように思える。
私のフレンに対する想いは崩れなくて済むんだね。


私はフレンの事が好きでいいんだよね。


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