shining☆moon‐私の王子様‐


そのあと、私は目が覚めてベッドから起き上がった。
そっか、ここ、本田くんの部屋だった。
本田くんはまだ寝ていた。
あ、ソファーにね。
私がベッド占領しちゃったから寝るところなかったんだ。
ここ、一人部屋だし。


私は本田くんにブランケットをかけて、部屋を出ようとした。
ただいまの時刻、《3:06》だ。
まだみんな寝ているころ。
私は本田くんにお礼を呟いたあと、フレンと私の部屋に直行した。
廊下には眩しいくらいの照明があって、目をくらます。
フレン…起きてるかな。
いや、起きてるはずがない。
行くときもフレンの事ばっかり考えていて、気がつけばドアの目の前。
手が震える。


『気持ちわるい』


………。
気が狂う。
理性を失う。
これを信じていいのかな。


ドクッ…、ドクッ…―


強張っている私の身体。
ビクついていて緊張ぎみ。
震える手をソッと伸ばし、ドアノブにつかまり、ゆっくりと右に回した。
ドアノブはカチャッといい前に体重をかけたらドアは開き始めた。


ドクン…ドクン…―
ドクッ……ドッ…ドッ…―


激しく高鳴る私の鼓動。
静かな部屋に響くような気がして胸を押さえる。
しばらくの間、壁に手をつけて、胸が大人しくなるのを待った。
けど一向に鳴りやまない。
私は絶体絶命になり、一旦ゆっくり動き出す。


お風呂らへんで立ち止まり辺りを警戒した。
ってか、これじゃあ不審者か、不法侵入者だよね…。


恐る恐るフレンが寝ているベッドの方に向かいフレンの居場所を確認する。


「あ…れ…?」


そこにはフレンの姿がなかった。
2つあるベッドを見回したけどフレンはいない。
もしかしてっ!!
…レオの部屋にいるとか。


ユリアはガッカリして後ろを向いた。


「…お前、バカかよ」

目の前にフレンがいた。
会いたくて会いたくて、仕方がなかった人。

「…フ…レン?……ぅあ…っ!」

いきなり、勢いよくベッドにつき倒される。
全開のカーテンから差し込む月の光がフレンを照らした。


「…無防備にも程があるんだよ」


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