shining☆moon‐私の王子様‐
~~フレン.said~~
「…ちょっ……っま…!」
月明かりで少し見えるユリアの困った顔。
焦って、逃れようとするユリアの身体。
全て、俺のものにしたい。
そう思った。
でも、俺の頭の中ではユリアの泣いた顔が浮かぶ。
「ユリア…」
「…はい…?」
名前を呼ぶだけで赤くなるユリアの顔が俺の理性を狂わせる。
反則だって。
可愛すぎる。
…さっきのキス、何なんだ。
「…ユリア、なんでさっき俺にキスなんかしたの…?」
「へっ!?…えっと…、あの…んと……」
目を俺からそらすユリア。
ユリアの目は忙しそうに回る。
そらしても無駄だっつーの!
負けずに俺はユリアに顔を近づけ、キスできんじゃん、って程までいる。
「…フ…ッレン…!?」
「なんで俺にキスなんかしたの?」
「んと……えっと…」
しつこく聞いてみた。
だって、聞きたかったし俺に対する想いはどうなのか聞きたかったから。
キスした理由が言えないって事は、恥ずかしいから?それとも、言いたくない?
最悪を考えれば根拠無しに、ただキスがしたかった状況なだけで、想いは無いということ。
ただのキス。
使い捨てのキスなだけ。
「…しっ…」
「し?」
「しっ…したかった…から…?」
「……」
ただノリでか…。
愛情表現のキスじゃないんだ。失望した気分だ。
「俺のこと…好きでしたんじゃ…ないんだ」
「…え……好き…!?///」
は?
何こいつ。
“好き”って言う言葉に反応してる…。
みるみる顔が赤くなってタコみたい。
「…えっ…いや…っ…そ、その…えっとー……」
焦ってる…。
恥ずかしくなっているのかユリアは手で顔を隠した。
まじかよ…。
図星な訳…!?
嘘…。
「…ユリア?」
優しく声をかけてみた。
そしたらユリアはビクっとして、耳まで赤くして…。
俺の理性を狂わせる行為をした。
可愛すぎる…。
恥ずかしがっているユリアを見て、楽しんでいる俺はバカだろうか。