shining☆moon‐私の王子様‐



「わぁ!見て見て!フレン…!」

「あれはイルカルゴだな」


朝になり俺とユリアは仲を戻し、今は仲良くやってる。
まぁ、今んとこは…ね。
昨晩はあれから寝て、起きたのが8時ってとこかな。


「イルカルゴって何?」


少し上目遣いっぽく見てくるユリアにドキッとする。
海を見ていたらちょうどイルカルゴを目撃した。
それにユリアは興味がわきだしたらしい。

「イルカルゴってのはイルカとエスカルゴの境目ってところかな。色は緑色が定番だな」

「へぇ…あんまり可愛くないよね。まぁ、ブサイク過ぎて癒されるっていうかー」


イルカルゴに比べたらユリアは超可愛いよな…。
比べるのがおかしいってくらい違いがありすぎる。
イルカルゴのブサイクな顔の何処が癒されんだよ。
俺だったら、ユリアの笑った顔の方が何千倍、何万倍癒されんだけど。
でも…。
イルカルゴを見て楽しんでいるユリアの笑顔は、イルカルゴがいたから見れるものなんだよな。
イルカルゴに感謝…。


「…ねぇねぇフレン」

「どうした?」


ユリアがモジモジし出す。
頬がちょっと赤み出して、下を向く。
なんだ…。
この状況は!?
もしかして…。
告白的な?
いや、待て。
やっぱり告白だったら、男からするもんだろ。
ん?でも、女からっていうのも悪く無いな。
ま、俺の答えは決まってるけどね…。

ユリアがゆっくり口を開いた。
緊張が高まる事態。



そして…―



「私、魔法の使い方忘れちゃったかも!」

「はぁ?!…んだよ」


脱落。
俺はその場にしゃがみこんだ。
なんか1人で変な妄想しててイラつくな。
あぁ、カッコ悪ぃな…。
ユリアこそ、フライングなしだろ。
恥ずかしいよ。
はぁ~~。


「フレン?」

「…いいよ。じゃあ特訓室に行こうか…はぁ…」

「……?」


ユリアは俺の手を引き、特訓室まで走って行く。
また、俺の想像。
想いすぎなのかな、ユリアの事。
俺の中には欠かせないユリアの存在。
いつか想いが通じあえる日が来るのだろうか。
俺の長い長い片思いが叶う日が。


「あれ?訓練室何処だっけ?」

「手ぇ引っ張っといてそりゃないだろ!!」


来るのか…?



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