shining☆moon‐私の王子様‐
~~レオ.said~~
なんだろう。
特訓室の前に人がざわざわと集まっている。
気になって覗いてみた。
そしたら勇ましく剣をぶつかり合わせて、魔法をうまく使いこなし、互角に戦う男女二人。
ってか…。
「ユリア!?フレン!?」
僕が大きな声を張り上げたら周りの人が振り向き、穴が空くんじゃないかなってくらい僕は見られた。
「おぉ!終わったぞ」
1人の男の人が大きな声を上げた。
すると繋げて色んな人が歓声を上げていった。
「あの嬢ちゃんが勝ったぞ!」
「強いなぁ…」
「ねぇ、会いに行って来ようよ」
と、ユリアが注目の的になっていた。
僕は人をかき分け訓練室の中に行き、ユリアとフレンの場所に行った。
するとユリアはフレンの後ろにさっと隠れた。
「ユリア?」
「……っ~~…!!」
ユリアは僕を思いっきり睨む。
まぁ、睨む気持ちもわかる。
だって僕はユリアを奪おうと必死になり、フレンを侮辱(ぶじょく)するような暴言を連発したから。
きっとユリアはそれが許せなかったんだ。
「…ユリア、あのね?」
「フレンに謝った!?」
「え?」
「フレンに謝ったのか聞いてんの!」
フレンは僕達の会話を黙って聞いていた。
少し顔を赤めながら…。
「レオは謝ってくれたよ」
「本当に?」
「あぁ。本当に」
フレンがそう言うとユリアは僕を見て…飛び込んできた。
「うわっ」
僕の声は訓練室の中で山びこのように響き、ドスンと言う効果音も響いた。
そしてユリアは僕の顔の前でニコッと笑い僕の耳元で囁いた。
「…よかった」
ドクンッ…―
ユリアの小さな声と共に大きく飛び跳ねるような鼓動が一発、僕の閉まったユリアへの想いをまた引き出した。
ユリアはサッと立ち上がってガッツポーズをした。
「三人揃ったところで特訓だぁ!」
スキップをしてユリアはまた魔法の練習をし始めた。
「ほら」
フレンが僕に手を差し伸べる。
「ありがとう」
フレンが勢い良く僕を起き上がらせたら僕の耳元でフレンは囁いた。
「――――……だから」
「相手がフレンでも負けないよ」
「望むところ」
「ほら速く~!!」
ユリアが僕達を呼ぶ。
フレンと僕はユリアの所へ走って行った。
で、特訓を開始した。