shining☆moon‐私の王子様‐
――…ドクンッ
胸が激しく高鳴った。
まるで時間が止まったときのように…
――……サァッ…
いきなり静かになった。
私は瞑っていた目を開けた。
周りが止まっていて男の子も泣き顔で停止している。
車もあと数センチぐらいの距離で止まっている。
「…助かった…」
まず第一声はこれだった。
―――…ビクッ
私の体は不安を察した。
なぜだかと言うと前回のように黒い影みたいなのがまた来るかと思ったからだ。
私はキョロキョロと周りを見た。
何も居なかったから、男の子を歩道に連れていき
ハンカチを男の子の手に置いた。
私は微笑み男の子に“ばいばい”っと呟いた。
「……心の優しいお嬢さんだ」
っ誰!?
「…あなたは……?」
また…黒い影の仲間?
「俺はヴィンセント・シュナイザーと申します。あなたを保護しに参りました」
「…保護?」
黒い髪に、真っ黒いタキシードを着ていて長いマントをたらしている。
目は血液のように赤黒く、肌は真っ白くて透き通りそうな…
私は息を飲んだ。