shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
ったく、なんだよこの数は!?
邪魔邪魔邪魔邪魔~!!
私が通れないでしょ!?
兵士が次から次へと私に攻撃してくる。
とはいっても私は今テイクイーズで空間がスローモーション。
フレンやレオはきっと私のテイクイーズで時空が歪んでいると思う。
私は片手に光凜花がある。
だから大丈夫。
魔術師は私がやれる!
目の前にはすでに魔術師がいる。
不気味な黒いマントを羽織っていて、フードをかぶり、顔が認識できない。
…なんか、本田くんみたい。
勢いよく、光凜花を1人の魔術師の近くで振った。
「ソウルスラッシュ…!」
歪んだ空間でうまく響く私の声。
剣から放たれる大量の花弁。
ヒラヒラ柔らかく舞い散る花弁は綺麗だが、触ると一気に激痛が走る。
……それなのに。
1人の魔術師は歪んだ空間で素早く動き回り、私に体当たりするかのように迫ってきた。
ソウルスラッシュの花弁がパチパチ当たってるのに……。
どうして傷ひとつないのっ!?
「きゃあぁあ…っ!!!」
魔術師のマントから杖のようなものが出てきてその頭部から出た黄色い光が私に命中し、電気が走ったような痛みが身体中を巡った。
ピリピリして痛いよ…。
なんかチクチクするし、動かない……。
魔術師がズラズラ勢揃いして私を囲んだ。
私はバカだったんだ。
1人で倒せるとか言うから。
カッコつけるから。
強がるから。
魔術師達はマントから杖を出し私に頭部を向けた。
ピクッと動く私の身体。
怖い……。
また電気のようなものが私の身体中に入ると思うと身体の震えが治まらない。
魔術師達の杖の頭部からは黄色い光が小さく光った。
駄目だ。
こんなところで死にたくない。
まだ私にはフレンを守るという任務がある。
だから死なない。
くたばってたまるかっ!!
「オクターフィルゾンッッ!!!!」
私を守るように床からドームのようなものが出てきた。
そしてそこのドームからは剣が出てきて魔術師たちのお腹を貫いていく。
不思議なことに、魔術師からは血液はでていなかった。
バタバタと倒れる魔術師。
私を守ったドームが割れて、私は魔術師達を見た。
「…勝っちゃった……!!」
あの特訓は無駄じゃなかった。