shining☆moon‐私の王子様‐
でもどうして魔術師達はわたしのテイクイーズで動くことができたのかな…?
私は魔術師を味方と認識してないのに……。
それに私のソウルスラッシュも当たらなかったし…。
ま、いっか。
相手は魔術師だもんね。
そのぐらいわかるか。
「…フレン達は…っ」
とっさにフレンとレオを見た。
大量の兵士たちが積み重なっているのが目に入った。
その山の中からまた兵士が宙に舞い、積み重なっていく。
何が起こってるのかな…?
兵士がどんどんどんどん……。
フレンとレオなのかな……?
試しに近寄ってみることにした。
シフトで空に飛び、兵士の山の中を見てみたら……。
「…フレン…レオ…っ!?」
そこにはフレンとレオ。
兵士を斬っていってるのは二人だった。
細かく剣を振り回していき、兵士を積み重ねていく。
涼しい顔をして、息が荒れてもないし、傷すら見えない。
手軽そうに兵士を裁いていく。
凄い……。
素早く動く剣が見えない。
これがスーパークラスの腕なんだね。
私も頑張らなくちゃ。
シフトを解き、床に足をつかせた。
するとユリアの後ろに三人の兵士が近寄ってきた。
「よぉ、アリスレパードの嬢ちゃん」
「噂の通り可愛いなぁ」
「ヴィンセントさんが惹かれるのも無理ないっスね」
誰!?
私は声がする後ろに体をもっていった。
「何よ…」
ニタニタ笑いながら近づいてくる兵士たち。
一見、真面目そうに見えるが気持ち悪くて危ない感じがする。
「…うらぁ!!」
「こっ…来ないで…!!」
三人の兵士が私に覆い被さってきた。
そして二人の兵士が私の体を取り押され、床に押さえつける。
「…は、離して…よ…っ!!」
私はキリッと兵士を睨みつける。
「いいねいいね。その目。…かわい~♪」
「……っ!?」
あご下に冷たい感触があった。
目の前にいる兵士の手から伸びる、長い銀色のもの。
金属光沢で光輝く……剣。
身体が強ばる。
プルプルと身体が震える。
「大人しくゾルヴァーナ王国に来てもらおうか?」
「…」
逆らえない。
逆らったらすぐに殺される。
どうしよう、どうしよう。
怖いよ、フレン。
魔法を使いたいけど身体が動かないよ……。
フレン……。
フレン…………。