shining☆moon‐私の王子様‐
すると、木の陰からいっぱいの人達が出てきてフレンを囲んだ。
敵ッ?!
私は背中を焦らせた。
そしたらその中からクロードが出てきた。
「…ク…クロード!!」
クロードは少し微笑んだ。
クロードの後ろにはレオの姿があった。
フレンは三人の人達に捕まっていた。
「…フレン!!」
「大丈夫だよ。ユリア。コイツらはセヴィアの兵士たちだよ」
あ…。
そうなのか……。
「…ごちゃごちゃと……!!!」
ルイスは私から離れ、空中を舞い、少し離れた場所で身構える。
「…おいっ、コラッ!!…っなせってば…!!!」
フレンは取り押さえられながら必死にもがく。
私はルイスの方を見ながらクロードに言った。
「…クロード」
「ん?何?」
クロードは優しく答えてくれる。
「頼みがあるんだけど」
私は決意した。
邪悪な目をしたルイスを見た。
正直、怖い。
だけど、大丈夫。
大丈夫。
大丈夫だから……。
「…フレンを、フレンを私から離れた場所に連れていって?」
「ユリア!!!!」
後ろから私の大好きなフレンの声が聞こえた。
「…」
クロードは黙っていた。
「お願い。クロード」
「…」
「クロード…」
「……わかった」
「クロード…、ありがとう」
「だめだ!!!!」
フレンは叫んでいた。
ごめんね。
ごめんね、フレン。
「…行くぞ」
クロードの素っ気ない指示でセヴィアの軍隊はフレンを連れて動き出す。
そしてレオもついていった。
「ユリア…ッ!!……だめだ!!ユリアーー!!!!」
私はルイスに待ってと合図したら頷いてくれた。
私はフレンの方を向き、満遍の笑顔をした。
「……ユリア」
「…フレン知ってる?私ね……」
溜まっていた涙が流れ始めた。
本当は傍にいて欲しかった。
だけどそれは私のわがままだよね。
それにいつもいつも私はフレンがいることで“助けてくれる”って思ってた。
それも私がフレンに甘えているだけ。
傍に居るだけで良かった。
ずっと一緒に居たかった。
全部私のわがまま。
だけど、これだけは言わせて?これが私の気持ちだよ?
私は涙ながら微笑んだ。
「……私はフレンが大好きです…」
「……ユリア…」
私は……。
「さようなら」
私はフレンが大好きです。
そしてフレンはクロード達と林の中に消えて行った。