shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
「やぁ!!」
キンッ…―
ギリ…―
「…っく!!!」
カンッ!…―
鋭くぶつかり合う剣音が響いた。
夜だからかな?
やけに響く。
ルイスを包みこむ光が眩しい。
「…よく動くウサギだ…」
「ウサギじゃないもん!」
何よ何よ何よーーー!!
まぁウサギは可愛いからいいけど……。
今のは馬鹿にしたよね!
私は真っ直ぐなだけど曇りがありスカイブルーのルイスの瞳をみつめる。
ルイス……。
まだ思い出せないの…?
私だよ…?
一緒にお買い物に行ったユリアだよ?
black skyの……仲間だったでしょ…!?
「なんだ」
口調まで変わっちゃって…。
「おい」
私はルイスを見つめ続ける。
するとルイスはゆっくりゆっくり私に近寄ってきた。
私は剣を構えることもせず、ただただじっとルイスを見つめた。
そしてルイスは私の胸に剣を一本突きつけた。
「…何、ボーッとしてる。お前が来ないなら私が……う゛っ!!」
ルイスはうなり出した。
私はそんなルイスを抱いた。
「ルイス…!?」
「…構うなッ…!!ケホ…ケホ…っ……よくある事だ…!!」
「でも…」
「構うなと言ってるだろ…!!」
ルイスは私を突き飛ばした。
私は地面にお尻をつけた。
「ケホッ……ケホ…ッ…」
ルイスは苦しそうに咳をする。
カシャッ…―
カランカン……―
とうとうルイスは両手の剣を手から離し、自分の身体を抱きしめながら咳をした。
ルイスを包みこむ光は消え、スカイブルーの瞳はもとの目に戻る。
私はルイスに駆け寄った。
「ルイス!?大丈夫!?ルイ…」
「構うな!」
ルイスの手から繰り出された光の刃は私のお腹にヒットした。
「うあ!!!」
私はその魔法で少し離れた場所へ飛ばされた。
そしてルイスはまた苦しそうにうなり、咳をする。
「…ルイス」
私の横腹は血がにじんだ。
運よく、かすっただけだったみたいだ。
私はピリピリする横腹をこの冷たい風で痛みを忘れ、またルイスに駆け寄る。
「ルイス…!!」
「寄るなぁ!!!」
そしてまた飛ばされる。
その繰り返し。
“痛い”
そんな感情も無いわけではない。
ただ、大好きな親友、仲間を取り戻したいだけ。
もう傷付くのは、傷付けるのは嫌だ。
私はまたルイスに駆け寄る。
私はそっとルイスを抱きしめた。
するとルイスの目から涙が落ちた。