shining☆moon‐私の王子様‐
「なぜ…なぜだ…」
この冬の風に冷やされたルイスの身体はプルプル震えていた。
私はルイスに近寄り抱き締める。
「ルイス…」
「…なぜだ……!!」
ルイスは涙混じりの声で言った後、私を睨む。
私は構わずルイスを抱き締め続ける。
冷えきったルイスの体を少しでも温めようと…。
「やめろ…っ……離せぇ!!」
ルイスは地面に落ちている剣を一本手にして私に肩に振り落とした。
「きゃあ…!!」
肩からはじわじわと血が沸き出てくる。
冷たい風が肩に鋭くしみる。
だけど私はルイスをまた抱き締める。
動くと肩がズキッと痛む。
「…どうしてなの……どうしてなの…ユリア……」
その声は私の知ってる、大好きなルイスの声だった。
ルイスの目からはどんどん涙がこぼれ落ちる。
「…ルイス?分かる…?あなたの友達のユリアだよ…?」
私は震える声でルイスに呼び掛ける。
するとルイスは深く何度も何度もうなずく。
「…ルイス…ルイス…ルイスルイスルイス…!!」
私は嬉しさの余り、ルイスの名を何度も呼んだ。
それを答えるようにルイスは、うんうんとうなずいてくれた。
私は肩の痛みなんか忘れてルイスを抱き締めた。
強く……強く……。
「…ユリア…?ど…どうして私を…?」
「そんなの…決まってるよ…」
私はルイスと顔を見合せ、ニコッと笑った。
「ルイスは仲間だから」
ルイスの目は涙で埋めつくされていた。
月明かりに照らされキラキラ光る。
ルイスは泣きながら私に飛び込んできた。
「うわぁぁぁん!!」
「よしよし」
良かった…。
良かったんだ…。
ルイスが元通りになった。
フレン…やったよ…?
私、ルイスを助けられたよ…?
暗い夜空にまんべんなく光る月を見ながら私は心の中で呟いた。
眩しいからかな?
涙がでてきた。