shining☆moon‐私の王子様‐
「どうゆう事だよ…レオ」
俺はレオの肩を掴んだ。
レオは固く閉ざしていた口を開いた。
「…こいつの名はラディー・キャプイス。僕の古い仲間だ。…良いライバルだった。だけどラディーはいきなり…姿を消した。……この前クエスト先でやっと再会できたと思ったら……」
レオはラディーを憎しみと共に見た。
「…お前は僕の妹を殺したって…!!」
ラディーはニタニタ笑っていた。
「気に入らねぇな」
思わず俺は本音を口に出していた。
そして剣を抜いた。
クロードは変わらず拳をつくり、ぎゅっと握っていた。
「おぉ、殺りますか。今ちょうど暇だったんですよね~」
俺は戦闘モードに入った。
するとレオが俺の前に立ちはだかった。
「…レオ…」
「…フレンここは僕……いや…」
レオは俺の方を向いた。
口角片方をクイッと上に上げた。
「…俺に任せて?」
「……ぁ…」
月明かりに照らされてレオの目には光の筋が見えた。
少し影で見えないレオの顔は今まで以上にかっこ良かった。
「わかった」
俺はクロードを引っ張り林を駆けた。
「任せたぞ!!レオ!!」
クロードの兵とレオを残し俺達は林の中へと消えて行った。
レオ……。
俺は信じるよ。
ユリアと同様に。
生きて……。
生きて帰って来いよな。
俺は走りながら思った。
今俺が出来る事。
それは……。
ヴィンセントと戦うことだ。