shining☆moon‐私の王子様‐


「アイスレイン!!」


ズササササッ!!…―

針のような氷の雨がラディー目掛けて飛んでいく。

「ファイヤーロイドッ!」

ラディーの回りは火で覆われる。
そしてその火で俺の魔法、アイスレインが溶かされる。

「…っまだまだぁぁ!!」

俺は剣を構えてラディーに襲いかかった。

キンッ…―

「そんな細っちー剣で俺に勝てるとでも?」

「ふっ…」

「何笑って……ぐあっ!!」

セヴィアの兵達がラディーの背中を切り着けた。
ラディーは大きな声で叫んだ。

フラフラとその場にしゃがみ込むラディー。

「っ…この」

俺は刃の部分を自分に向けてラディーに剣を振りおろした。
するとラディーは自分の剣でさえぎった。

ギリッ…―

剣と剣がスレ合う。
上から下にスレ合わせると火花が散った。

カンッ…―

俺はラディーから離れた。

「はっ…やるじゃねぇか」

「まあな…」

「っふ…」

「何が可笑しい」

「なぁレオ、ちょいと速いがそろそろフィナーレと行こうぜ」

「…っ…!?」

するとラディーは空を見ながら不気味に笑い、視線を俺に移した。

俺は構えた。


「漆黒のドラゴンよ、今こそ我に力を!!!」


ラディーの掛け声で空はみるみる曇り始め、眩しい月明かりは闇に飲み込まれた。


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