shining☆moon‐私の王子様‐


辺りは暗くなり何も見えなくなった。

「レオ。なーんにも見えないだろ?」

「くっ…」

周りの兵たちは暗いことに戸惑っている。
俺達は完璧不利におちいっている。
と、その時……。


グワォォォォオオ!!!!!




―――!?
地鳴りと共に聞こえた奇声。
そして風も強くなる。
冬の冷たい風がさらに鋭く刃物のように俺の身体に切り込みを入れた。

「何だ…これは…」

何かが、暗くたってわかる。
ラディーの近くにきょだいな生物が空から舞い降りて来た。

「俺の可愛い可愛い、グレイシアドラゴンだよ」

「グレイシアドラゴン…」

一瞬血が引いた気がした。
グレイシアドラゴンとは“大4最強使い魔”の1匹だからだ。
“大4最強使い魔”とはこの世界に4匹しかいない強力な使い魔でそれを操るためにはその使い魔より大きな魔力と戦闘力がないといけない。

「ビビっちゃったか、レオくん」

グレイシアドラゴンが俺に近づいて来たのがわかった。


バシッ!!…―


「うわぁぁあ!!」

グレイシアドラゴンは俺を叩いた。
俺は高速で木々にぶつかっていく。
やっとが止まったと思ったら極太の大樹に勢い良くぶつかった。

「…ぐはっ!!」

背中が反るようにぶつかり、滑り落ちた。

「…ケホッ…ケホッ…はぁはぁは―……」

口を押さえた手には血が飛んでいた。


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