shining☆moon‐私の王子様‐
グァァッ!!!
惜しくも胴体には当たらなかったが尻尾を真っ二つに斬り落とした。
その尻尾からは不思議なことに血のような液体は出なかった。
俺は地面に足を着けた。
もう暗くなんかない。
何もかも見えるんだから。
月を隠す雲は消え、月明かりが俺達を照らした。
ラディーは俺を睨む。
「レオ……!!!!」
俺は首をコキコキ鳴らした。
「俺も使い魔、持ってんだよなーー」
「っ!!調子に乗りやがって…!!」
俺は目を瞑り、呟く。
「…桜吹雪のように華麗に踊り華を咲かせよ……桜色の野獣よ今こそ我に輝く力を!!!」
俺の足元は結界が張られた。
すると何処からか、この季節を妨(さまた)げるかのように、たくさんの花びら、これぞ桜吹雪が広がる。
「お前ッ…まさかッ!!!!」
「大4最強使い魔の一匹、フェルシャンタイガーだ」
俺の前に桜吹雪が竜巻のように上まで巻いた。
そしてその中から桜色に煌めく、世にも美しい、華麗な虎が現れた。
『久しぶりね、レオ。で?あたしに何をしろって?』
「…くっ!」
ラディーはフェルシャンタイガーに睨まれひるむ。
「そうだなぁ…」
俺はニヤリと笑みを浮かべた。
「んじゃあ、…反撃といきましょうか」