shining☆moon‐私の王子様‐
ラディーはビクビクとする。
まぁ、それもそのはず。
俺のフェルシャンタイガーはラディーのグレイシアドラゴンよりも強いからだ。
『あらあら、せっかちなレオもいいじゃないの。…任せなさい。お安いご用よ』
フェルシャンタイガーはゆっくりゆっくりラディーに近寄った。
「くっ来るな!!」
『あら、怖いの?』
ラディーは後退りする。
顔色を悪くし、冷や汗をどっぷりかいている。
フェルシャンタイガーは美しい色の瞳でラディーを見つめた。
「……ッ…グレイシア!!グレイシアドラゴンッ!!!」
ラディーは必死にグレイシアドラゴンを呼んだ。
だがフェルシャンタイガーはお構いなしに、ラディーに寄って行った。
ギュアアァァア!!!
突然、グレイシアドラゴンが鳴き始め強風を起こさせた。
木々は横にあおられて心地好い音を奏でる。
「…っ」
俺はすかさず目をそらさずにフェルシャンタイガーの後ろ姿を見た。
グレイシアドラゴンは強く地面を蹴り、空高く飛び立った。
すると、グレイシアドラゴンが大きく口を開いたその奥から、光が見えた。
「なんだ…あれ」
『あれは、きっと……』
フェルシャンタイガーが言う前に俺達の視界は光に包まれて行った。