shining☆moon‐私の王子様‐
グレイシアドラゴンの鳴き声がすると反射的にラディーはプルプル震えながら俺の後ろについた。
「ラディー?」
「グレイシア…俺のグレイシアドラゴンが……」
一言でいうなら、今のラディーはただの臆病者にすぎない。
さっきまであんなに強気だったのに今になって弱気になりやがって。
…はぁ。
まぁいい。
グレイシアドラゴンがなんだって?
俺はグレイシアドラゴンの鳴き声がした方をじっと見た。
だけど何も動きもなく、魔力が変わる、動く気配もない。
「…ったく、なんだよ」
『私に任せて頂戴』
「フェルシャンタイガー…」
フェルシャンタイガーは俺を見て目を細めた。
これはきっと微笑んでくれているのだと思う。
そして歩き出したフェルシャンタイガーはグレイシアドラゴンのいるところに向かっていった。
「…助かったよ…レ」
バキッ…―
バタン…―
俺はラディーを殴ってやった。
ラディーは地面に向かって倒れていった。
「な…なんだよ!レオ!!」
「なんだよ、じゃねぇよ!!」
俺はラディーを見下ろすように仁王立ちした。
俺は怒っている。
「お前は使い魔を使う権利はねぇ」
「…ぇ…」
「知らないのか?使い魔は主人の信頼、力、愛情て成約されているんだ」
ラディーの顔は月明かりで照らされハッキリとわかる。
キョトンとしていた。
「まだわからないのか?…グレイシアドラゴンはお前との信頼を無くし、お前の力を超えていて、更にお前の愛情が不安定だったために、お前に抵抗したんだよ」