shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
「――!!!」
私はハッとして辺りをキョロキョロ見渡す。
それに気付いたのか、ルイスは私を心配したような目で見た。
「どうしたの?」
「え…その…」
確かに聞こえた。
フレンの…苦しむような叫び声。
私の心臓の鼓動は心拍数を増す。
それと同様に、不安が駆け巡る。
私がフレンに心配かけたから、私がフレンを守らなかったから、と自分で自分を攻めていた。
その時。
「ルイス、ユリア!!」
聞き覚えのある声が林の中から聞こえて、走るような足音がこっちに向かってきた。
すかさず、ルイスは身構えた。
「なんだ、レオかよ」
ルイスは呆れたように言った。
「レオ!!」
私は切り株から立ち上がりレオにダイブした。
するとレオはそれを受け入れてくれるかのように、私を両腕で優しく包み込んだ。
私はレオの身体に傷が多いことに気づく。
「レオ、どうした?」
ルイスも気付いたのか、レオに投げ掛けた。
そしてレオの隣に、背の高い男の人がいてルイスはその人を二度見した後、跳びはねるように身構えた。
「あぁ、大丈夫だよ。こいつはラディー・キャプイス。俺…僕の幼馴染みだよ。今さっきまで戦ってたんだぁ♪」
ラディーさんはペコリとお辞儀をした。
語尾に“♪”ですか…。
そんなに喜ばしい事じゃないよね、戦いって…。
…そうか。
だからレオもラディーさんも傷だらけなんだ。
私は「はぁ、なるほど」と相づちを打った。
するとレオはさっきのニコニコ顔と比べ物にならないぐらい、真剣な顔になった。
「さっきの叫び声…聞いた?」
レオの言葉にラディーさんとルイスは唖然とした。
叫び声…。
やっぱりレオも気付いてたんだ。
私は静かに頷くと、「なら話しは早い」とレオは言い、歩き出した。
「ど、どこいくの?」
ルイスは言った。
ラディーさんとルイスと私はレオを見た。
レオは何かを決心した顔で、
「フレンを助けに行くんだ」
と言った。
私達はレオに着いていき、走ってフレンのいる場所に向かった。
―――嗚呼(ああ)。
なんて私はバカなんだろう。
レオ達が来る前にフレンの居る所に、先に行っていたら…。
どんなに良かっただろう。
今さら後悔したって遅いよね…。
ごめんね。
フレン……。