shining☆moon‐私の王子様‐
~~フレン.said~~
冬の風は肌を刺すようにキリキリして痛い。
だけど…。
今、ヴィンセントの魔法の中にいる俺だから言えるかもしれない。
……痛い…。
「ぐ…うぁぁあ!!」
「わははは!!なんて愉快なんだ!!」
苦しむ俺。
それを見て笑うヴィンセント。
なんて最悪な状態なんだ。
俺はこの魔法から逃れないまま、哀れに負けてしまうのか。
…そんなの…ッ!!!
「…させて…たまるかってんだよ!!!!」
バリンッ!!!
ガラスが割れるような音を立てて、俺を痛めつけた魔法は運転停止された。
ヴィンセントは「そうこなくっちゃ」と言っているような不気味な笑みを浮かべた。
多分、今の魔法で俺の半分の体力は消耗(しょうもう)された。
俺はまた、ヴィンセントにぶつかる。
「アイスカッター!セイバスグリッター!オーシャンプリジレント!!!」
俺は一度に3つの魔法をヴィンセントにぶつけた。
それに驚いたようにヴィンセントは目を丸くして俺の魔法を避ける間もなく、喰らっていった。
…倒す。
俺は必ずヴィンセントを倒す。
そしてみんなの所に帰るんだ。
するとヴィンセントは俺の魔法を喰らい終えた後、風のように俺に向かってきた。
ヴィンセントは俺に蹴りを入れようとした。
「おっと、危ない」
俺は上手に避けてかわす。
するとヴィンセントはニタニタ笑った。
「こっちが本命だよ」
俺は自分のお腹にある、ヴィンセントの手に気づいた。
「ダークシェルター!!!」
「タイムループ!」
ヴィンセントの手から出た魔法は何処かに消えてしまった。
「なぜた…?」
「バーカ」
俺はボケッとするヴィンセントに思いっきり蹴りをいれた。
見事に俺の膝がヴィンセントのお腹にヒットして、地面にすれるようにヴィンセントは倒れていった。