shining☆moon‐私の王子様‐
「はぁ!?」
途端にらしくない叫び方をするルイス。
それも無理もない。
つられてレオも、
「へ…?」
と言い、フレンを見る。
ラディーさんは口を半開きにして私を見た。
ラディーさんの目は真っ直ぐで、私はその曇りのない瞳に吸い寄せられるようになかなか目をそらすことが出来なかった。
「…っ」
私は我に返ってプイッと顔を背(そむ)ける。
なんだろう…。
今の…。
ラディーさんは私に何かを訴えているようにしか思えなかった。
私は背けた顔を上げてフレンを見た。
…不安な目をして。
その後ヴィンセントを睨んだ。
大丈夫。
「どうしますか?」
大丈夫。
「戦いますか?」
口角を上げたヴィンセントを今にも泣きそうな目でにらみ続ける。
「駄目だ!!」
「断って!!ユリア!!」
私に呼び掛けるルイスとレオ。
私は微笑み二人を見た。
……これが“仲間”なんだね。
ヴィンセントは魔法で二人を動けないようにする。
「う!!」
「キャアッ!!」
二人は地面にヒラヒラと倒れていく。
ごめんね。
二人とも。
ちょっと苦しい思いをさせちゃうかもしれない。
こんな私を許して…?
だけど、だけどね。
私は大切で大好きな仲間を守りたいの。
傷つかせたくない。
汚れさせたくない。
涙を流して欲しくない。
だから、だから―――
「…魔剣、光凜花…!!」
私は剣を片手にした。
フレンが教えてくれた、この魔剣を…。
ヴィンセントは満足そうに笑みを浮かべると、大声で言った。
「さぁ、行くんだ!!フレン・ロザフォース!!仲間を倒しに!!」
私は喉をごくりと鳴らした。
私はここでフレンを助ける。
きっとフレンは暗闇の中さ迷っているに違いない。
だからね…私は―――
「…フレン…ロザフォース…、このアリスレパードの名に懸けて……貴方を…貴方を…」
………私はね…。
「…貴方を、敗北へと導きましょう……」
愛しい貴方と戦うの。