shining☆moon‐私の王子様‐
「や…いやっ!!」
私は突き放した。
怖い。
ただ恐怖感が私を襲う。
私は震えながら後退りしていった。
「…可愛いね……、やみつきになるよ…」
「っは…!」
私はヴィンセントから遠ざかったのに瞬き一つしたらいつの間にか真っ正面に顔があった。
「…美味しそうな血の匂い…」
「……へ…」
ヴィンセントは私の肩にポンっと頭を置いた。
私は思考停止状態だった。
私の頭は恐怖でいっぱい。
ヴィンセントは私の首をアメを舐めるように舐めて、私の耳に吐息混じりに囁いた。
「………いただきます…」
――………ブツリッ…!!
「…やだっ!…やめて…きゃああぁぁあ!!………ぁ…」
私の首からは吸うようないびつな音が聞こえてくる。
――その時私のカバンに入っていた赤い宝玉は宙に舞い砕けた。