shining☆moon‐私の王子様‐
初めての気持ち
「よしっ消毒完了!」
「長いよ…」
もうすぐでふやけちゃうところだったよ…
「…あのさ、ヴィンセントに……。やっぱりなんでもない」
「え?あ、うん…」
なんか気になるけどフレンの様子を見てやめようと思った。
フレンは立ち上がり私の手を取り部屋をでて廊下を歩きだす。
「ちょっ…どこいくつもりっ?!」
「女王陛下のとこ♪」
フレンはニッコリ笑って歩く。
フレンの手…あったかいな…
私の鼓動は速くなる。
私はフレンの手を見て少し照れくさくなった。
大きいフレンの手が私の手を包む。
フレンは私の手を握ってて何か思ったりしないのかな…?
私の手は温かいのかな?
ねぇ。
どう思うの?
フレン…
そう思ってるとすぐに女王陛下が目の前にいた。
「お連れしました。女王陛下」
フレンは私の手をほどくように払い、そのまま女王陛下の方を向き、ひざまついた。
―――…ズキンッ
私は胸が傷んだ。
あのニッコリ笑った顔が私の頭を駆け巡る。
なんとなく、涙が込み上げてくるのを感じた。
私は我慢し女王の方を向いた。
「ユリア…ユリアなのね…?」
「…はい」
私はあまり気が乗らなかった。
フレンの事が気になってしょうがなかったからだ。
私は女王陛下が私に大丈夫だったかと言い、
「…はい」
しか答えられなかった。
これからの事を話すと言い女王陛下は真面目な顔つきになった。
「フレン、あなたに頼みたいの、ユリアを連れてエルランドに行ってほしいの」
「はい?!」
「優秀なあなただったらエルランドの皆は受け入れてくれるわ」
「……わかりました」
「明日出発できるようにしておいて下さい」
「はい」
エルランドってなんだろう…
女王陛下は私に頑張ってと言い、私とフレンは先ほどの部屋に戻った。
私とフレンは黙ったままだった。
胸がチクチク痛む。
こんなこと初めてなんだよ?
……フレン…
私はさっきの事を思い出し、ベッドに潜り込んだ。