shining☆moon‐私の王子様‐

クラルンド山脈――…


私たちはエルランドに向かい始めて、約1時間30分たった頃いまだに一言も話していない。

咳払いすらしなかった。

私はフレンに手を引かれたのは嬉しかったよ?

でも…
あんな離し方ないじゃない。
もっと優しくできないの?


私は不安になってきた。
私は昨日面と向かって見たのは初めてだけどその日から私はフレンに全てを尽くそうと思った。

だけど今はその言葉に不安がつのっていくばかりだった。



私はフレンの背中を見ていたら視界が歪んでいる事に気がつく。



ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクッ……


吐き気がするほど気持ち悪くなって私は崩れ堕ちるように倒れた。



――…ドサッ


私が倒れたとたん何かが私を支えてくれた。


フレンだった。


「…さっきからおかしいッつーの。……俺には丸聞こえだったけど…」


「……はぁ、…怒ってるの…はぁ、はぁはぁ…」


「…しゃべんな……」


フレンは私をお姫様抱っこをして歩き出した。


「…私…重たいよ……おろ…して……はぁっ、はぁーはぁ…」


「聞こえなかったか?…しゃべんなよ…お願いだから…」


フレンは一旦止まりそこにちょうど穴を見つけ中に入った。

穴はそんな奥まで続けていなかった。

人が寝泊まりするにはちょうど良い場所だった。


フレンは私をおろし、寄りかかれるように座らせた。


「…大丈夫か…?」

「…うん……」

「だいぶ落ち着いてきたな、ヴィンセント・シュナイザーがユリアの血をむさぼり過ぎたんだろ…」


私はフレンの腕を掴んだ。
フレンは驚いたように私を見た。


「…怒ってるの…?」

フレンはニヤッとした。

「うん。怒ってる」

「…え?!」


私は不安になった。


「どうしてくれる?」

「えっあ、その…」



私はもじもじした。


「あのさ、ずっと聞きたかったんだけどさ、ヴィ、ヴィンセントに、キス…されてないよなっ!?」


「うっうん////」


なんでっ
どうしてっ


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