shining☆moon‐私の王子様‐
ルビー色に輝く海
~~フレン.said~~
出発して電車に乗った。
乗り方は窓際にユリアが座り隣にフレン。
もう反対側は窓際にレオが座り隣にルイスといった座り方。
電車と言っても真ん中に木のテーブルがあって、壁も木でできているようだった。
black sky はさっそく作戦を考えた。
しきるのはもちろんレオだ。
「そう言えば、ユリアって魔法使えるの?」
そう言えばまだ1つしか覚えていない。
大丈夫なのか?
「あぁ、それなら大丈夫だよー。見て、ジャジャン!!!」
ユリアはカバンから一冊の分厚い本を取りだし、皆に見せた。
『黄呪光語』と書いてあった。
「ユリア、黄呪光語知ってたの?」
「うん、確かヴィンセント・シュナイザーって人に教えてもらった」
「「ヴィンセント・シュナイザー!!??」」
レオとルイスは声を張り上げて叫んだ。
そりゃあ驚くだろうな。
あんな邪悪なやつの名前聞いただけど絶叫するぐらいだし。
「よくそんな奴と会ったな…」
「あたし気持ち悪くなってきた……」
「えっ!?そんなに!?」
そんなにって、お前が言える立場か?
呆然とするユリアに呆れ俺は深くため息をつく。
「どうしたの?フレン?」
ドクン……――
なぜだろうが。
胸が高鳴る。
「フレン…?」
ユリアは上目遣いで俺を見る。
あの頃と変わらない。
変わらないで欲しい。
『フレン、だぁい好き』
あの頃のように……
フレンはユリアの頬に触れる。
「え……?」
自分が何をやってるのか見当がつかなかった。
ユリアの頬に手を置いていた。
「あっごめん。なんでもないよ」
手を戻そうとしたらユリアに握られた。
「ホントに?」
俺は微笑んだ。
「ホントだよ」
ユリアはニッコリ笑って机に本を広げた。
やっべぇ…。
俺、どうかしてる……。
フレンはユリアの横顔を見て、自分の顔が赤くなるのに気づく。