shining☆moon‐私の王子様‐


~~ユリア.said~~


黄呪光語の本を広げて1つ気になるものが入っていた。

「何これ」

ノートを破ったような紙に赤黒い字でこう書いてあった。


『タスケテ』


私達はゾッとした。
これは間違いなくひとの血で書いたもの。

「なんなのよ…これ」

ルイスはガタガタと震え出す。

「ハハハ、僕全然怖くないよ」
嘘だ。
顔が青ざめてますよ。
息も荒くなってるし。

でフレンは……

「フレン…?」

魂が抜けて口から魂がこちらに手を振っている。
バイバーイと、飛んでいくフレンの魂を無理矢理フレンの口に戻す。


「みんなしっかりして!!!」

みんなはごめんごめんと言って、その紙を眺める。

「ダイニングメッセージかなんかかな?」

レオが紙を見てうなだれている。
「この血、最近のじゃないよ。何百か昔の…、この紙、魔力が半端じゃないよ」

「俺もそう思う。ってか、なんかでてきそうだよね―」

ルイスは絶叫して意識を失う。


電車の中が急に暗くなった。
トンネルにはいったからだ。
少し窓が開いているから音が凄く聞こえてくる。


「…潮の匂いがする……」

少し潮っけな匂いが風になびいて私の鼻をくすぐる。

「そういやぁ、この辺って…」
トンネルから抜け出して光に包まれた。
眩しいくらいの光から青い空が見えた。

そして。


「何?あれ…」

私は呆然と海を見る。

だって青くないんだもん!!
私の知ってる海は青い。
青いのが普通。
でもたったいま今、普通じゃないものを見ている。




ルビー色に輝く海を……








< 46 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop