shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
黄呪光語の本を広げて1つ気になるものが入っていた。
「何これ」
ノートを破ったような紙に赤黒い字でこう書いてあった。
『タスケテ』
私達はゾッとした。
これは間違いなくひとの血で書いたもの。
「なんなのよ…これ」
ルイスはガタガタと震え出す。
「ハハハ、僕全然怖くないよ」
嘘だ。
顔が青ざめてますよ。
息も荒くなってるし。
でフレンは……
「フレン…?」
魂が抜けて口から魂がこちらに手を振っている。
バイバーイと、飛んでいくフレンの魂を無理矢理フレンの口に戻す。
「みんなしっかりして!!!」
みんなはごめんごめんと言って、その紙を眺める。
「ダイニングメッセージかなんかかな?」
レオが紙を見てうなだれている。
「この血、最近のじゃないよ。何百か昔の…、この紙、魔力が半端じゃないよ」
「俺もそう思う。ってか、なんかでてきそうだよね―」
ルイスは絶叫して意識を失う。
電車の中が急に暗くなった。
トンネルにはいったからだ。
少し窓が開いているから音が凄く聞こえてくる。
「…潮の匂いがする……」
少し潮っけな匂いが風になびいて私の鼻をくすぐる。
「そういやぁ、この辺って…」
トンネルから抜け出して光に包まれた。
眩しいくらいの光から青い空が見えた。
そして。
「何?あれ…」
私は呆然と海を見る。
だって青くないんだもん!!
私の知ってる海は青い。
青いのが普通。
でもたったいま今、普通じゃないものを見ている。
ルビー色に輝く海を……