shining☆moon‐私の王子様‐
幽霊屋敷
~~フレン.said~~
幽霊屋敷はこの森を抜け海の近くの林にポツリとあった。
「ここが幽霊屋敷……」
呆然とするユリアは怖くないのか、目をキラキラ輝かしている。
「怖くないのか……?」
「え?なんで?」
怖がる意味について聞いているのか?
こっちはそんなユリアがうらやましいぐらいだよ。
「フレン、怖いの?」
「ユ、ユリア俺の心が読めるのか!?」
「ううん。読めないよ。って、今の図星だよね」
「ちっちがう!!!」
俺は別に怖いなんか……。
怖くなんか……。
ん?
クスクス笑ってやがる!!
ユリア……!!!
肩がぶるぶる震えて、いつしか、体が言うこと利かなくなる。
「怖くなんか………」
【フレン、強がんなくていいんだよ?大丈夫】
ユリア?
心の声が聞こえた。
ギュッ――…
ユリアの手が俺の手を強く握り締める。
「大丈夫だよ。私が守るから。私がフレンの不安を壊してあげる」
「ユリア……。ありがとう」
ユリアはニッコリ笑って小さな足を幽霊屋敷の方に進めてった。
【私が怖がっちゃだめだっ。私がフレンを守るんだから!】
ユリア……。
男の俺が女の子のユリアを守らなくてどうする。
怖がっちゃだめだ。
俺が………
俺がユリアを守るんだ。
ギィィッ――…
ドアを開けて暗闇の中に俺達は入っていった。