shining☆moon‐私の王子様‐


案内してやると言ったものの、長い廊下をひたすら歩いた。
一向に変わらない風景。
扉ひとつないだだ真っ直ぐな廊下。
何のために作ったのか聞いて見たいのもやまやまだが、誰に聞く?と思うとどうでもよくなる。

長い廊下を歩きながら沈黙が続く。
そんな中。

「ねぇ、まだぁ?」

沈黙を破ったのはルイスだった。
でも、まだ?と聞くのも無理はない。
足が痛くなるほど歩いたはずなのに、まだまだ続く長い廊下。
本当に歩いているのか?
って思うぐらい何もない廊下をひたすら歩いた。
扉ひとつあっても良いじゃないか。
って程だ。

「我慢しろ。時期着く」

廊下の奥にあるのだろうか。
僕達はサムスの言葉のいう通りにただただ足を前に運ばせる。

今、僕達がこんなことをしている間にユリア達はヴインセントに襲われているのか?
速く、速くユリア達のもとに行きたい。


「レオ…?どうしたの?」

覗き込むように僕を見るルイス。
そんなに僕は変な顔をしているのか?
そう言えば、顔に感情が出やすいって前からよく言われてたっけ。


「ううん。なんでもないよ」

笑って返す。
そしたらルイスも笑った。
ルイスはこういう時は優しくなる。
いつもは強がっていて、意地っ張りで、フレンのこととなるとそれ一筋になって周りが見えなくなる。
でも、ルイスは人の気持ちを一番速く察してくれて気持ちをほぐしてくれる。

フレンに一筋なルイスも悪くない。
むしろ羨ましいぐらいだ。
感情任せに大好きな人を抱きしめたり、その人に気持ちをぶつけられる。
そんなルイスが羨ましいんだ。

「ほれ、着いたぞ」

着いた場所は廊下の奥じゃなく、中途半端な壁だった。
サムスはいきなり目を閉じ何かを呟き壁を蹴った。

「何やってんのよ!」

いや、壁を蹴っただけだろ。

蹴った振動で壁は扉のように2つに開いた。
扉の向こうには緑が多い森へと繋がる。

「さぁ、ここだ」

僕達は足を扉の向こうに入れた。
そしてルイスとサムスと僕はユリア達を助けに森の中をさ迷う。





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