shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
なんでまた、こいつが私の目の前に……?
あれ以来、もう一生会わないと思ってたのに今ここに奴がいる。
「どうして、貴方がここに?」
恐怖に声が震え出す。
「だから貴女を頂きに」
私とヴインセントに何か繋がりがあるっていうの?
どうしてだろう?
私には何かあるのか。
そう言えば最初に出てきた黒い影だって私を欲しがってた。
ヴインセントも私のことが欲しいの?
「おい!ヴインセント、俺を解放しろ!!」
檻の中から聞こえるフレンの声。
ヴインセントはフレンを睨み付けて薄暗く軽蔑するような残酷な目をしながら、手から赤く燃え盛るような炎の弾を放つ。
弾はフレンに直撃した。
「ぐあぁっ……」
「フレンッ!!!」
私はフレンの方に走って向かった。
なんで魔法を使わないの?
自分自身がぼろぼろになってもいいの?
……私は耐えられないよ。
フレンが傷だらけになる姿を見て放っとけるわけないよ。
私が檻に手を付けようとしようとしたらヴインセントが遮り私を抱きしめた。
「は、離してっ」
「嫌です」
抵抗しても全く動かないヴインセントの強い腕。
やだっ。
離して。
フレンと何かが違う。
怖い。
「どうです?フレン・ロザフォース。目の前で大切な人が抱きしめられている、気持ちは」
「……くっ…」
大切な人……。
私が?
「ユリアさんも皮肉でしょう。あなたにとっても大切な人が傷だらけになって、血を流して檻にすがりついている姿を見て。どう思います?不愉快でしょう」
最低だ。