shining☆moon‐私の王子様‐
可能性…
無理だって!
信じたって何もないじゃん。
私は心の中でそう呟いた。

【何もなくない…!】

だって…

【よく聞け、その場から逃げろ。つか、飛び降りろ。】

無理無理無理です!
空なんか飛べないし、ここ高い所だから落ちたら即死だよ!?
私は人間。
こんな奴みたいに化け物じゃあないの!!

【わかったから落ち着け…。お前ならできる。俺を信じろ……】

わかった。
やってみるよ。
あなたを信じます。

【…ぁ…うん////じゃあまずそいつ、ブラッドウェンディから抜け出して空中で、プリズンブレイクって唱えろ。いいな?】

うん。

『…何をしていたんだ……おい!』

「ばーか、よそ見してるからこうなるだよ……」

私は息を飲んで唱えた。

「……悪しき者を捉え永遠の牢獄に閉じ込めよ……栄光の風雹……光を放て!!プリズンブレイク!!」

『うわあぁぁぁあ!!!』


ピカンッ
ズドーン……

「…やったぁ…!」

いつの間にか私は地上にいた。
黒い影は一瞬にして灰のように消えていった。

その後、夢の中の王子様の声は聞こえなくなった。

あの呪文…
何だったんだろう…
いろんな言葉が私の頭の中を駆け巡り自然と口にでていた。


「さぁ、家に帰ろう。ママに怒れちゃう」

私はまっすぐ家に帰った。


―――――――……


「やっと見つけた。セヴィアの姫君…いや……光の宝玉と言った方がいいか……。それにしても、可愛いお嬢さんだ。」

男は言った。

「気に入ったのか?」

猫は言った。

「あぁ、そうだね。誰よりも速く俺のものにして、いろんなことして妻にしたいなぁ♪」

「今行くか?」

「…フ、それはいい案だね。速くもあの子を俺様の物にしたいな。いくぞ、デューク。」

「強引だね、ヴィンセントは」

―…バサッ


男と猫は芽唯の所に向かって行った…




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